墜落したオスプレイ

オスプレイの安全性について、次の2点から考察してみる。

オートローテーション

ヘリコプターは万が一エンジンが止まっても、下からの風でローター(回転翼)は回転する。そうすると揚力が付き、ある程度ゆっくり落ちてくることになり、操縦も可能となる。これにより安全に落下飛行が可能となり、無事に着陸できる。これをオートローテーション(自由回転飛行)と言う。

防衛省の資料には、オスプレイはオートローテーション機能があるとなっている。しかし、実際にオートローテーションが可能であるかについては、先日森本防衛大臣がペンタゴン(米国の国防総省)に行って来た時に、防衛省の資料の説明(エンジンが停止しても無事着陸できる)通りにいかないなと述べたようだ。
オスプレイは、CH-46(オスプレイ配備により退役されるペリコプター)や従来のヘリコプターと比較すると次の違いがある。
  • オスプレイはローターが小さい。
  • オスプレイは機体が重い。

つまり、オスプレイはヘリコプターに比べて、高速回転で機体を持ち上げている。と言うことは、エンジンが停止した場合、オスプレイはヘリコプターに比べて落ちるスピートが速いことになり、無事着陸できず機体が破壊される可能性が十分ある。

このことについて、元米国の国防省系の研究所でオスプレイについて分析を行なっていた人も、「オスプレイはオートローテーションができない」とはっきり言っているようだ。それでも、防衛省の見解は、「機体損傷の可能性は排除されないものの、オートローテーション機能はある」としている。

素人の私からすれば、オスプレイの両方のエンジンが停止し、落下により機体が破壊されれば、オートローテーション機能がないので、「墜落」してしまったと言うのが、適切に状況を示した表現に思える。

なお、米国はオートロテーションを実機では確認していないようだ。その理由は明らかで、実機の確認は危険だからだ。

転換モード

オスプレイは、固定翼の両端に回転翼が付いている。
離陸の時は、回転翼を垂直にし、ヘリコプターの様に回転翼により浮上する。その後、徐々に回転翼を斜めにしてスピードを付けて行く。スピードが付くと、固定翼の揚力により飛行機として十分飛べるようになり、その後は回転翼を水平にしてプロペラとして使用する。
一方、着陸の時は、離陸と逆の操作が行われる。

プロペラモード 転換モード 飛行モード
オスプレイのプロペラモード オスプレイの転換モード オスプレイの飛行モード

オスプレの事故は、ヘリコプターと飛行機の間の状態、つまり回転翼が斜めの状態(転換モード)の時に多発している。

ペンタゴン(米国の国防総省)は転換モードが危険だと認識しているからだと思うが、「運用上必要となる場合を除き転換モードの時間を可能な限り短くする」と言っている。しかし、普天間基地の場合は離着陸経路の下には住宅が密集しているので、転換モードで市街地を飛ばないようにすることは無理である。
また、オスプレイは、転換モードに何秒掛けるかが、パイロットに要求される微妙な操縦技術の部分である。転換モードを短くし過ぎると、逆に墜落する危険性が増してしまう。つまり、安全性を高めるために、市街地を危険な転換モードで飛行せざるをえないとも言えると思う。

今年、モロッコとフロリダで起きたオスプレイの墜落事故は、転換モード中で発生していて、操縦ミスだったとのこと。私はその詳細に関して知らないが、パイロットの過失と言うより、それだけオスプレイの転換モードの操作は、高度な技術が要求されると言うことなのだろう。このことは視点を変えれば、オスプレイは「欠陥機」とも言えるのでないか。
最低限、高度な技術が要求されるオスプレイに慣れるための訓練は、周りに人が住んでいない広大な砂漠等でやるべきで、沖縄のような住宅密集地でやるべきでないと思う。

日本政府は「オスプレイの安全性は十分に確認された」と言っているが、何を確認したのだろうか?例え「機体自体に問題はない」と言えたとしても、人為的ミスが発生し易い機体が飛行すると言うことは、常識のある人は「安全でない」と言うのでないか?