オスプレイ(3機)

今年秋までに沖縄県の米軍普天間基地に配備される予定のアメリカ軍最新型輸送機「オスプレイ」が、現地時間の6月13日にフロリダ州の空軍基地で、訓練中に墜落した。
オスプレイには、空軍仕様の「CV-22」と海兵隊仕様の「MV-22」がある。今回墜落したのは空軍仕様の「CV22」であり、沖縄配備予定は海兵隊仕様の「MV-22」である。

オスプレイは2009年時点で技術的問題はほぼ解決しているとされているが、試作段階から事故が多く、「Widow Maker」(未亡人製造機)とも呼ばれたこともあった輸送機で、今年4月にも海兵隊仕様のMV-22オスプレイがモロッコで墜落し兵士2人が死亡している。
また、オスプレイは、海兵隊要人輸送ヘリコプター(VH-3)の老朽化に伴い、次期海兵隊要人輸送ヘリコプター後継機として、候補にもなったが、試験・実験段階での相次ぐ事故により、安全性の問題から候補から除外されている。

今回の事故を聞いて、私はまた墜落したかと言う印象が強く、安全性が確保されているとは思えない。普天間基地への配備に先立ち、山口県の米軍岩国基地で、機体の安全性の確認作業を行うことになっているようだが、例え安全性が確認されたと言うことになったとしても、この未亡人製造機を街のど真ん中にある普天間基地に配備することは、危険過ぎると思う。

なお、オスプレイの開発経緯等は以下のとおりである。

猛禽類「ミサゴ」

オスプレイ(V-22)は、米国のベル・ヘリコプター社とボーイング・バートル(現ボーイング・ロータークラフト・システムズ)社が共同で開発した垂直離着陸できる軍用の輸送機である。オスプレイ(Osprey)は、「V-22」の愛称であり、タカに似た猛禽類の「ミサゴ」を意味する。

米軍は第二次世界大戦直後から、ヘリコプターと通常の固定翼機の両メリットを兼ね備えた航空機を求めていた。

両者のメリットとデメリットは、次のとおり。
ヘリコプター
  • メリット:垂直離着陸・ホバリング(空中停止)・超低空での地形追従飛行が可能。
  • デメリット:航続距離が短い。速度が遅い。
通常の固定翼機
  • メリット:航続距離が長い。速度が速い。
  • デメリット:離着陸のための長い滑走路が必須。垂直離着陸・ホバリング・超低空での地形追従飛行が不可。

ヘリコプターのメリットである垂直離着陸・ホバリング・超低空での地形追従飛行が可能で、かつ通常の固定翼機のメリットである航続距離が長く、速度が速い航空機は、戦略上とても有用であることから、オスプレイが開発された。

オスプレイの最高速度は時速555kmを超え、高速ヘリコプターの1.5倍である。また、航続距離は空中給油などを併用すれば、最大で3,700km以上となる。

衝撃映像(Osprey Crash)