ダンプトラック「930E」の右前方とタイヤの半分以下の一般男性

こまつの杜」(場所:小松駅東口前)内に展示してあるダンプトラック「930E」は、迫力満点である。

930Eは、㈱小松製作所の米国子会社であるコマツアメリカ(株)ピオリア工場で製造している世界最大級の電気駆動式ダンプトラックである。海外の大規模鉱山で活躍している。

展示のダンプトラックは、南米チリのロス・ペランブレス銅鉱山で使用していたもので、太平洋を渡り、こまつの杜にやってきたものである。

ダンプトラック「930E」の前方
ダンプトラック「930E」の右前方 ダンプトラック「930E」の前方 ダンプトラック「930E」の左前方

全高7.3m、最大車体重量500トン、最大積載量は297トンで、数値が大き過ぎて実は私自身ピンとこないが、桁違いのトラックであることは分かる。
297トンの荷物を運べる訳だから、小学生の平均体重が40kgとすると、7,425人を運ぶことができることになる。小松市には25校の小学校があり児童総数が6,628人(平成23年5月時点)である。つまり、小松市の小学生全員を余裕で運ぶことができる凄さだ。

930Eは本体に注目が集まりがちだが、タイヤも凄い。
直径3.8m、幅1.3m、重量4.8トンで、タイヤも世界最大級である。このタイヤ1本で約80トンを支えることができる。スペースシャトルの空虚重量(乗員、荷物や燃料を含めない機体自体の重さ)が78トンだから、タイヤ1本でスペースシャトルを支えることができる。

また、この巨大トラックの最大速度は時速64.5キロで、無人運転もきると言うことだから驚きである。そんなことを知ると、世界一贅沢なおもちゃのように思えてしまう。

でも、なせ無線で動かせるようになっているかと言うと、複雑な鉱山の地形は、衝突、転落や落石など、いたるところに危険が潜んでいる環境なので、運転手の安全面を考慮しているからである。
GPSと無線を使ってリアルタイムに930Eを集中管理しているので、ダンプ同士が衝突する心配もなく、過酷で危険な鉱山でも対応できるようになっている。このことがとても便利と評判になり、今では世界中の鉱山で使用されるようになった。

ダンプトラック「930E」の後方
ダンプトラック「930E」の右後方 ダンプトラック「930E」の後方 ダンプトラック「930E」の左後方
こまつの杜で存在感を示しているこのダンプトラックが、なぜ930E(キュウサンマルイー)と呼ばれているかと言うと、
  • 「930」は総重量を示している。つまり、930,000LBS(LBSは、ポンドの省略記号で、1ポンド=約453.6g)と言うことである。なお、現在では品質改良により更に重量が増えている。
  • 「E」はエレクトリックのこと。つまり、電動式を示している。

「わくわくコマツ館」の開館日」に行けば、1日2回(午前10時半~11時、午後3時半~4時)、運転席に座ることができる。また、午後0時から約30分間は荷台を上げた姿を見ることもできる。

日本ではこの1台のみなので、電車の待ち時間を利用しても良いし、一度見に行く価値がありますよ。

右矢印「こまつの杜」の駐車場について

ダンプトラック「930E」の360度撮影
※聞こえてくる喋り声は、小松弁だ!